【損益分岐点】から考える収益化への最短ルート

収益化への道

本日は、「損益分岐点から考える収益化への最短ルート」というテーマでお話していきます。

ダンススクールを経営していく上で、課題となる事柄はたくさんありあすが、そのひとつとなるのは、いかにして売上を上げていくか?ということでしょう。

売上について考える際、その基準となるのが、「損益分岐点」です。

【損益分岐点】とは?

損益分岐点とは、ある事業において、売上と費用がまったくの同額であること。
つまり、利益がゼロになる売上のことを言います。

わかりやすく言うと、
「黒字と赤字のちょうど分かれ目」
にあたる点のことです。

固定費とは?

損益分岐点の計算式に、経費とありましたが、この経費は固定費と変動費に分かれます。

固定費とは、売上にかかわらず必要なお金の金額のことです。
ダンススクールの場合ですと、テナントの家賃、人件費、広告宣伝費、水道光熱費などです。

「最初は人を雇う予定はない。」
と考える場合でも、ご自身がタダ働きするわけにはいかないので、ご自身のお給料を計上する必要があります。

また、水道光熱費なども月によって変動しますが、ここでは年平均を算出しざっくりとした金額を把握しておきましょう。

変動費とは?

変動費とは、売上額の増減によって変化する費用のことです。

例えば飲食店などでしたら、食材の材料費や割りばしや紙ナプキンや伝票などの外注費などがあります。

ダンススクールの場合で考えると、ユニフォームやダンスグッズなどがそれにあたりますし、発表会などで外注したレンタル衣装の費用などもこれにあたります。

【損益分岐点】を計算してみよう

では、ここまで分かったところで、具体的に損益分岐点を計算してみましょう。

ダンススクールの場合は固定費が多くを占めますので、ここでは発表会などの特別な行事を考えずに、日々のレッスンのみで考えていきます。

また、テナントを賃貸契約した場合は、ダンススクールとして改装するための費用が掛かりますが、ここでは毎月のランニング費用のみで計算してみます。

人件費について

まず人件費ですが、今回はご自身が一人暮らしでダンススクール経営で生計を立てている。そして、そのスクールではご自身以外のインストラクターを雇用していない。ことを前提として考えてみます。

総務省による家計調査(2022年度)のデータから見てみると、一人暮らしにかかる生活費は、

【全国平均では130,023円、東京を含む大都市圏では136,984円】

という結果が出ています。
このデータをもとに生活費に必要な金額は、14万円としておきましょう。

家賃について

家賃については、広さや場所によって大きさによってことなります。

また、テナントを賃貸契約するか、レンタルスタジオを利用するのかによっても大きく変わってきますが、ここでは、テナントを賃貸契約して、その家賃がひと月18万円だったとしておきしょう。

その他の費用

そのほか、水道光熱費と宣伝広告費がかかりますが、
水道光熱費を月平均7万円、広告宣伝費を約1万円と見積ます。

損益分岐点はいくら?

では、損益分岐点を計算してみましょう。

  • 人件費16万円(生活費14万円+交通費2万円)
  • 家賃18万円
  • 水道光熱費7万円
  • 広告宣伝費1万円

合計が42万円

この計算では、損益分岐点は42万円となります。
この数字をひとり当たりの月謝で割り算すると、最低必要な生徒数が出てくるのですが、

月謝を7,000円と見積もると60人
月謝を6,000円と見積もると70人

の生徒さんを集客する必要があります。(端数は繰り上げしています。)

高額な初期費用

上記の計算式だけをみると、意外と簡単そうに感じるかもしれませんが、最初に書いたようにテナントを賃貸契約した場合、ダンススクール専用に改装する必要があります。

そして、この費用をどこから捻出するかというのが大きな問題になります。

改装に必要なもの

空のテナントをダンススクールに改装した場合に最低限必要なものは、

  • ダンス用の床材
  • 防音装置(壁やドア)
  • 音響装置
  • ロッカールームの棚

などで、テナントの大きさにもよりますが、だいたい800万円から1,000万円くらいは必要だと考えた方が良いでしょう。

ただし、教えるダンスのジャンルによっては、床材にそこまで費用がかからないものもあります。

ジャンプの少ないベリーダンスやフラダンスなどはその費用を抑えることができるでしょうし、ヨガなどの場合は、防音についてもそこまで必要でないかもしれません。

初期費用を抑える方法

まだ生徒さんがどれくらい集まるか分からないのに、800万円から1,000万円の大金を初期費用に充てるのは、不安だと感じる人も多いと思います。

また、そのような大金をどうやって準備するのか?

銀行や信用金庫から融資を得るにも、保証人や担保がないという人もおられるでしょう。

レンタルスタジオを利用する

ダンススクールを開校するのに、最初からテナントを契約しなければいけない、という訳ではありません。

一定数の生徒さんが集客できるまでは、レンタルスタジオを利用するということも視野に入れて考えてみましょう。

レンタルスタジオ以外にも、地域の公民館や集会所などを利用している先生もおられます。

また、小さいこども向けのクラスでは、幼稚園の課外授業としてクラスを開催できる場合もあります。

レンタルスタジオ利用で経費節減!

レンタルスタジオを借りた場合の損益分岐点の計算だと、

  • 人件費16万円(生活費14万円+交通費2万円)
  • 家賃18万円 ←この部分が大きく変わる
  • 水道光熱費7万円 ←この部分がゼロになる(レンタル料金に含まれている)
  • 広告宣伝費1万円

となるので、1時間3,000円のスタジオを週10時間(月40時間)借りたとしたら、
1カ月で12万円となり、

固定費は人件費16万円とレンタルスタジオ代12万円、広告宣伝費1万円

合計29万円になります。

先ほどと同様に、ひとり当たりの月謝で割り算した最低必要な生徒数は、

月謝を7,000円と見積もると42人
月謝を6,000円と見積もると49人

の生徒さんを集客すれば、損失が出ない計算になります。(端数は繰り上げしています。)
これでハードルがかなり下がりました。

これくらいの人数なら、クラス数を絞ればレンタルする時間も少なくなり、もっと経費が抑えられることも考えられます。

まとめ

以上が「損益分岐点から考える収益化への最短ルート」の記事になります。
どの事業でも言えることですが、やはり経費をいかに抑えるかが、とても大切だということです。

テナントを借りなくてもダンススクールで起業することは、十分可能です。
私も、私の知っている先生たちも、いきなりテナントを賃貸契約してスタートした人は少ないです。

長く続けていく上で、無理のない資金計画は必須となります。
この記事が、ご自身の「損益分岐点」の発見に役立つとうれしいです。

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