【適切なバレエ発表会準備期間】とは?|生徒と保護者の不安を解消し、発表会を成功へ導くために

バレエ

皆さま、こんにちは!
ダンススクール起業ラボのTutuです。

本日のテーマは『発表会の準備期間について』です。

皆さんのお教室では、発表会の準備にどれくらいの期間を掛けていますか?

事前に計画を立てていても、なかなか思うように進まず、「最後の1カ月に詰め込むように振り写しをやって、何とか間に合わせた。」という苦い経験をされた先生もおられるのではないでしょうか?

バレエ発表会は、生徒たちにとって大きな目標であり、同時に大きなプレッシャーでもあります。保護者もまた、我が子の発表会成功を心から願いながらも、練習の進捗や本番への不安を抱えています。

この記事でわかること

✅発表会準備期間における生徒や保護者のよくある不安や疑問

✅保護者の不安や疑問の原因となるもの

✅先生としての対応策(実例)

生徒たちが安心して発表会本番を迎えるために何をすべきか?を紐解いていきます。
では早速いってみましょう。

生徒や保護者の不安と疑問

まず初めに、生徒や保護者からどのような不安や疑問があるのかを考えてみましょう。
多くあるのが、「覚えられるのか?」「間に合うのか?」ということです。

「本番1カ月を切っても振り付けが終わっていない。間に合うの?」

「うちの子が、ちゃんと覚えきれるのか不安。」

「他の生徒と比べて、うちの子の成長が遅いように感じる。」

また大きな作品の場合、違う学年で普段一緒にレッスンしない子どもたち同士が一緒に踊るシーンがたくさん出てきますが、

「一体、どのクラスと一緒なのか?」

「総勢何名で踊るのか?」

「知らない子と一緒に踊るのに、いつ合同レッスンするのか?」

などが挙げられます。

これらの不安は、生徒さんの年齢や経験、性格、そして保護者の発表会への慣れ度合などによって、様々な形で現れます。

なぜそのような不安や疑問が起こるのか

では、次に生徒や保護者の不安や疑問がなぜ起こるのかについて考えてみましょう。

情報不足

原因として一番に挙げられるのは、『発表会の全体像が見えてこない』ということです。

本番に何曲踊るのか?どのようなグループで踊るのか?
それらの曲の振付はいつ行われるのか?
など、スケジュールや練習内容が具体的に伝えられていない場合に起こります。

他の生徒との比較

同じ年齢で同じ曲を踊るにしても、生徒一人ひとりのレベルや成長スピードが異なるため、その進捗具合も変わってきます。

覚えるのがゆっくりの子や出来ないステップがある子は他の生徒との比較により、焦りや不安を感じてしまいます。

聞けない雰囲気

発表会に初参加の場合、生徒自身もその保護者も全てのことが未経験なため、分からないことだらけで多くの不安や疑問を持っていて当たり前です。
しかし、常に先生がピリピリしていたり、周りに聞けない雰囲気があったりする場合は、さらにその不安が増してしまいます。

そうならないための準備

具体的なスケジュール作成

発表会までの詳細なスケジュールを作成し、インストラクターやアシスタントの方にそれを共有しましょう。
生徒や保護者には、参加人数が決定した時点で、スケジュールをお伝えします。

クラス別・個人別目標設定

クラスごとの目標設定を決めましょう。
その中で生徒のレベルや個性に合わせた目標も加え、計画から遅れた場合を想定して、それを補う策を考えておきましょう。

コミュニケーション

生徒や保護者の不安や疑問に寄り添う姿勢を見せ、話しやすい環境を作っておきましょう。

【実例】発表会に向けた4ヶ月の練習内容

参考までに、私が実際にやっていた発表会までの準備方法をお伝えしたいと思います。

私は、発表会の準備期間はだいたい4ヶ月くらいとしていました。劇場を使うための予約は、半年前に抽選があったため、発表会の日にちが決まるのは半年前になります。(場所によって抽選日は異なります。)

その後、発表会の大枠(どのような演目にするか)を決め、参加募集の用紙を配ります。

生徒さんからの参加申し込み、入金などがこの2カ月間に行われます。
この2カ月の間にスタッフとの打ち合わせや、小品集の振付をスタッフに覚えてもらいます。

初月:スケジュールの伝達と1曲目の振り写し

初月は、発表会までの大まかなスケジュールを生徒さんと保護者にお伝えするところからスタートします。
発表会では、ほとんどの生徒さんが3曲出演しますので、それらをどのタイミングで振付けていくかを説明します。

クラスは、バーレッスンなどの基礎レッスンを半分行ったあと、発表会に向けて振付(1曲目)をスタートします。

2ヶ月目:2曲目の振付

未就学児のクラスなど、振付に時間がかかるクラスは、徐々にバーレッスンを短くしていき、発表会の練習・振り写しの時間を長くとっていきます。

この頃には、1曲目の振り写しは終わっているので、覚えていなくても2曲の振付をスタートさせます。

1曲ずつ完全に覚えてから次に進む先生もおられるかもしれませんが、私は、2カ月目には2曲目の準備をしていました。
1時間のクラスだと、20分バーレッスン、15分1曲目の練習、残りの時間で2曲目の振り写しといったイメージです。

3ヶ月目:3曲目の振付と進捗具合のチェック

最後の曲の振付をスタートします。それと同時に、
この2ヶ月間で振り付けした曲をどれくらい覚えているか?
遅れている生徒がいないか?
などをチェックします。

例えば、風邪や学校の行事のため欠席した生徒がいた場合、そのフォローができているかなど、スタッフを交えて情報をアップデートし、その対策を施します。

最終月:本番さながらの練習とコミュニケーション

計画通りに行っていれば、この時点(1カ月前)で、振り写しは全て完成しています。

最後の月には、普段は違うクラスだけれども、本番で同じタイミングでステージに出る生徒たちの合同練習をします。

小さい子どもたちは、普段見ないお姉さんたちに最初は戸惑いますが、徐々に慣れていきますし、小学生の子どもたちは小さい子たちをリードし、何度か会うととても良いコミュニケーションを生み出してくれます。

この時期には、踊りだけでなく、サテンシューズやタイツなど、レンタル衣装以外で個々に必要なものの準備を保護者に促します。

1週間前には、参加者全員を広い練習場に集めて全体練習と照明合わせや細かい音響の打ち合わせを同時に行います。本番前日にはリハーサルを本番と同じ舞台で行います。

ポイントをまとめると、

  • 計画を立てるときは、作業工程表を作りスタッフ全員に渡す。(これは保護者には見せていません。)
  • 4カ月の準備期間のうち、半分過ぎた時点で、進捗をチェックし対応策を考える

試行錯誤を繰り返し、2つを絶対に守ることで、失敗なくかなりスムーズに発表会を行うことができるようになりました。

まとめ

発表会準備期間は、生徒たちの成長を促す貴重な機会です。

先生は、生徒さんや保護者が何に対して不安や疑問を感じているかを理解し、それが取り除けるよう、十分なコミュニケーションを心がけましょう。

不安や疑問が解消できれば、生徒さんは自信とゆとりを持って本番に臨めます。
また生徒間・保護者間にもコミュニケーションを持つゆとりができ、より協力的な行動が期待できるでしょう。

秘密主義にならず、情報を積極的に開示することで、新しいアイデアや協力の手が差し伸べられることもあります。手伝ってくれる生徒さんや保護者がいるなら、その手を借りることも成功への一歩かもしれません。

生徒さんの頑張りを褒め、保護者の協力に感謝の言葉を伝えることで、発表会はより充実したイベントになっていくことでしょう。

この記事が、少しでも参考になればうれしいです。

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