皆さま、こんにちは。
ダンススクール起業ラボのTutuです。
本日は、「教室の規模の拡大についての注意点」をテーマにお話ししていきます。
このサイトの読者さまの中には、
支部を作って、もっと生徒数を増やしたい!
そんな風に考えている先生方も多いのではないでしょうか?
教室の規模を拡大し、たくさんの支部を持つことは、先生の大きな目標の一つかもしれません。
しかし、教室の規模と先生の利益は、必ずしも比例するものではない!ということをご存じでしょうか?
この記事でわかること
✅教室の規模拡大と収入は必ずしも比例しないということ
✅バレエ教室が支部を作った時の3つの失敗例
✅教室の規模拡大を検討する時にやっておくこと
この記事を読めば、教室の規模と実際にご自分の手元に残るお金の関係性について考えるチャンスが得られます。
では、早速お話ししていきましょう。
教室の規模拡大と利益の関係性
教室の規模を拡大すること、つまり支部を増やすことは、必ずしも先生の利益に直結するとは限りません。むしろ、思わぬ【落とし穴】がある場合もあるので、十分注意が必要です。
なぜ、教室の規模が大きくなっても利益が増えないの?
なぜ利益が増えないかというと、そこには【たくさんの経費が必要となるから!】です。
では経費について細かく見ていきましょう。
固定費の増加
支部が増えれば、家賃、人件費、光熱費、教材費など、固定費が大幅に増えます。
特に、バレエ教室やダンス教室では、新たに支部用のテナントを借りると床材やバー、鏡などの改装費用とその後に払い続ける家賃が大きな負担となります。
人件費の増加
支部ができるとクラス数が増えるため、先生の数が足りなくなります。
そのため新しい先生を雇用する必要が出てきます。
ダンスインストラクターの時給は事務職などと違い、ベテランの先生だと1コマ3,500円~10,000円必要です。
人件費は、経費の中でも大きな割合を占めるため、教室の規模が大きくなればなるほど、売上に対する人件費の割合のバランスが難しくなってきます。
管理業務の増加
複数の教室を運営するためには、スケジュール管理、生徒さんの管理、他のインストラクターとの連携など、管理業務が複雑になり、時間と労力がかかります。
指導の質の低下
人件費を抑えようとすると、インストラクター1人当たりの生徒数が多くなり、生徒さん一人ひとりに目が行き届かなくなってしまう可能性があります。
指導の質が低下し、生徒さんや保護者さまが不満に感じてしまうことも考えられます。
【失敗例】支部をゴッソリ持っていかれた話 など
バレエ教室の支部を増やした後、他のインストラクターに支部の全てを任せてしまうことは危険です。
ここでは、先輩経営者さんの苦い失敗例をご紹介していきます。
失敗例1
ある先生のところでは、人手不足を解消するために外部からインストラクターを募集し、オーディションで経て雇用契約を結ばれたのですが、その人は1年も経たないうちに独立されて、おまけにその支部にいた生徒さんが丸ごとゴッソリ転校された。という話がありました。
この結果について、オーナー先生にお尋ねしたところ、もともと師弟関係がなかった人をインストラクターとして採用したこと。その後のコミュニケーションも少なかったことなど
が原因だったのでは?とお話されていました。
失敗例2
また別のケースは、支部を増やしたことでオーナー先生が2つの教室を行き来するようになった時のお話です。
行き来することによりスケジュールが変わり、もともと教えていたクラスを別のインストラクターにお任せするようになったら、数名の保護者から
「オーナー先生でないと習う意味がない。元通りに戻してほしい。」とクレームがあったそうです。
指導の仕方を褒めてもらえたのは嬉しかったけれど、経営者としては複雑な気持ちだったとおっしゃっていました。
失敗例3
聞いた話の中では、このケースが一番多かったのですが、「結局思うように人が集まらなかった。」ということでした。
支部を増やす前は、「きっとこれくらいは生徒さんが集まるだろう。」という憶測でスタートするのが普通です。
しかし、支部を作ったものの、新規の生徒はあまり集まらず、在校生が本部と支部に分かれて通うようになっただけで、「総生徒数としては大して増えなかった。かえって収入が減ってしまった。」
そのような先生が多数おられました。
せっかく夢を持って規模拡大にチャレンジしたのに、このような結果ではストレスになってしまいますよね。
利益を最大化するためのポイント
教室の規模を拡大し、収益を増やすには、まずは、本部教室のスケジュールを見直しましょう。
支部を増やす前に、今の場所でクラスを増やせる時間帯がないかをチェックします。
今の環境下で生徒数を最大限まで増やせれば、固定費のうち家賃はそのままなので、かなりの収益アップになります。
カルチャーセンターを支部にする
これ以上、本部教室でのクラス増設が難しい場合は、まずは、カルチャーセンターやレンタルスタジオなどを利用し、1コマずつ慎重に増やしていくことを検討しましょう。
この方法なら、万一生徒さんが増えなかった場合にも撤退することが容易になります。
支部の生徒さんとも積極的に関わる
カルチャーセンターなどに支部を増やした場合でも、インストラクターに任せきりにしないで、オーナーであるあなた自身も積極的に生徒さんと関わりを持つようにしましょう。
(私は、どうしても時間が取れない場合にはカメラを繋いでオンラインを利用して、指導に参加したこともありました。)
その他のメリット
そのほか、教室の規模を拡大するメリットとしては、
- ブランド力の向上
- 生徒の多様化
- 地域貢献(地域の活性化など)
などが挙げられます。
教室の規模拡大を検討する際は、メリットとデメリットを比較検討し、慎重に判断することが大切ですね。
まとめ
いかがでしたか?以上が、
「【経営者必見!】バレエ教室の支部拡大、思わぬ落とし穴にハマる前の注意とは?」
の記事となります。
教室の規模を拡大することは、魅力的な目標ですが、必ずしも先生の利益に繋がるわけではありません。まずは、現在の教室の利益を最大化し、安定した経営基盤を築くことが大切です。
教室の規模よりも、質の高いレッスンを提供し、生徒一人ひとりと向き合うことを大切にしていきましょう。
この記事が、何かの参考になればうれしいです。