【バレエコンクールの低年齢化】『顧客満足度とコンクールの必要性』について

バレエ

皆さま、こんにちは!
ダンススクール起業ラボのTutuです。

YouTube や Instagram などのSNSの急速な発達により、世界中のバレリーナたちの日常などを知ることができるようになりました。

その中には、プロの人やプロを目指すような年代の人もいれば、あどけないお顔に似つかわしくない、大人顔負けのものすごいテクニックをもった6~7歳子どももいて、とても驚かされてしまいます。

そのような映像は、主にバレエコンクールの様子を紹介したものが多く、近年のバレエコンクールの低年齢化についてもさらに驚いてしまいます。

本日のテーマは、【バレエコンクールの低年齢化】と『顧客満足度とコンクールの必要性について』です。

日本では、毎週末のようにどこかの地域で子どものためのバレエコンクールが行われていますが、バレエ教室の経営者の立場、そして、当事者である生徒とその保護者の立場から『バレエコンクール』について考えていきたいと思います。

この記事でわかること

✅なぜバレエコンクールはどんどん低年齢化してきたのか?

✅コンクールに出したい親の心理とは?

✅コンクールに出場させれば、顧客満足度はあがるのか?

では、早速いってみましょう。

バレエコンクールの低年齢化

近年、バレエコンクールへの参加年齢が低年齢化しているという声を耳にすることが多くなりました。

かつては、ある程度の基礎力や技術が身についてからコンクールに挑戦するというのが一般的でしたが、なぜどんどん低年齢化していったのでしょうか?その理由には以下のことが考えられます。

バレエシューズでの参加が可能に

10年ほど前までは、バレエコンクールといえば、『トゥシューズでバリエーションを踊れるようになってから参加するもの』というのが当たり前でした。

しかし、2017年のYAGPの日本予選で行われた審査員から特別レクチャーで「日本人のトゥシューズを履く年齢が早すぎること」について触れられたことがありました。

さらに「怪我を防止するため、11歳まではトゥシューズは履かなくていい」という考えを提言したことから、日本のバレエ教室でも、あまり早くからトゥシューズを履かせないという動きが広がっていきました。

一方で、トゥシューズでは難しくて踊れなくても、バレエシューズでなら「バリエーションを踊る」ということについてのハードルはグッと低くなります。
そのため、小さい子ども用の『プレバレエコンクール』が発達したのではないか?と考えられます。

現在は、小学校1年生から参加できるコンクールも珍しくありませんし、幼児期からそれを目標に頑張ってレッスンする子どもたちもたくさんいます。

バレエ教室の特徴として

またバレエコンクール低年齢化の別の要因として考えられることには、バレエ教室の増加と競争の激化があります。

多くの教室が生徒獲得に力を入れる中で、コンクールでの入賞実績は、教室の評判を高めるための重要な要素となっています。

需要に応える

そして、このバレエコンクール低年齢化の一番の要因は『需要があるから!』です。

主催者側も全然人気のないコンクールを赤字で運営するようなことはされません。
小さい子どもたちが、バレエシューズで参加できるコンクールにとても人気があり、「出たい!」と思う人がたくさんいるからこそ、増え続けているのです。

「ソロで踊っている子どもの姿を見たい」と思う親の心理

発表会とは違う我が子の姿

コンクールでは、お子さん一人ひとりがバリエーションを踊るため、お教室の発表会とは違う一面を見ることができます。

発表会では、通常同じクラスの数名~十数名の子どもたちと一緒に踊ることになります。
例え発表会でいくつかの演目を踊ったとしても、小さい子どもがソロで踊れる機会が相当稀なことだといえるでしょう。

コンクールでは、ご自分のお子さんが主役となって、スポットライトを浴びるわけですから、生徒本人や親御さんの満足度が上がることも納得できます。

保護者の期待に応えるため

以前は、バレエコンクールへの参加は、『ある程度実力のある生徒に対し、先生の方から出場を勧める。』というのが一般的でした。

しかし、ここ10年くらいは『コンクールへの参加は希望した人が参加する。』という風に変化していきました。

少子化により現在は一人っ子さんのご家庭も増えていて、その分その子どもに掛ける習い事の費用も少しくらい増えても構わないという親御さんも増えてきます。

ご自分の子どもの才能をできるだけ早く開花させたいという思いから、早期にコンクールに挑戦させたいとする親御さんが増えてきているのかもしれませんね。

コンクールに出場と顧客満足度の関係

小さい頃からコンクールに出すことは、顧客満足度を高める上で、メリットとデメリットの両面があります。

バレエ教室の運営のためにご自分の経営方針と照らし合わせて、その両方をチェックしておきましょう。

メリット

目標意識の育成

コンクールという目標を設定することで、子どもは練習を頑張る意欲を持つことができます。
コンクール曲のレッスンでは、先生と生徒は1対1で向き合うため、技術力や集中力の向上も期待できます。

達成感の経験

目標を達成した時の喜びは、子どもの自信に繋がり、モチベーションの向上に繋がります。
「目標を達成するためには、何をすればよいのか?」ということを考えることにより、計画性を、また反復練習により忍耐力が身に付きます。

舞台経験

早期から舞台経験を積むことで、『本番に100%の力を発揮できるメンタルの強い子ども』に育つ可能性があります。

デメリット

心身へのリスク

未熟な体に無理な負荷をかけてしまい、怪我をするリスクが高まります。
また万一、思うような結果が出なかった場合には、精神的な負担がかかる可能性があります。

バレエに対する嫌悪感

数回コンクールに出場しても、本人が望む結果が出ないこともあります。
そうした場合バレエそのものを嫌いになってしまう可能性があります。

また、逆に満足する結果が出たとしても「燃え尽き症候群」になってしまい、モチベーションが維持できないこともあるかもしれません。

コンクールに出ない生徒さんへのケア

親御さんがコンクール出場に前向きでない場合、生徒さんたちの中に共通の目標がなくなってしまい、そのグループに入れなくなってしまう可能性がでてきます。

コンクールに出場しない子どもたちの前では、必要以上にコンクールの話題で盛り上がらないよう配慮が必要です。

まとめ

バレエコンクールの低年齢化は、複雑な問題であり、一概に良し悪しを判断することはできません。
大切なのは、生徒さん一人ひとりの個性や成長段階を考慮し、無理のない範囲でコンクールに挑戦させることです。

この記事が、皆さまのダンススクール運営の参考になれば幸いです。

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