皆さま、こんにちは!
ダンススクール起業ラボのTutuです。
発表会をめぐるトラブルについて、4回に分けて解説をしていますが、本日のテーマは『発表会における保護者のお仕事』に関係するトラブルについて考えていきます。
先日、あるバレエママのグログを拝見したところ、
「発表会で、奴隷のようにこき使われて、心も身体もクタクタになった。今後これが繰り返されるとなると、娘を続けさせる自信がない。」という趣旨のことが書かれていました。
保護者にどれくらいのお手伝いをお願いするかは、そのお教室の考え方次第ですが、「奴隷のように」と表現されてしまうようでは、何等か見直しが必要かもしれませんね。
この記事でわかること
✅バレエの発表会における保護者の仕事内容
✅保護者の仕事内容のうち、負担を多いものとは?
✅保護者の仕事がなくせない理由
✅保護者の負担を減らすためにできること
では、早速いってみましょう。
バレエの発表会における保護者の仕事内容
まず初めに、『バレエの発表会における保護者仕事』にはどのようなものがあるかを整理しておきましょう。
発表会前日までの仕事
- 衣装のお直し
- 小物の作成
- プログラムなど印刷物の手配
- 当日のお花の手配
- 当日のお弁当の手配
- 前日リハーサルでの裏方作業(小さい子どものお世話)
など
発表会当日の仕事
- 子どもの着替え・ヘアメイク
- ゲスト・スタッフの食事やドリンクの手配
- 出演者へのお花やプレゼントの仕分けと配布
- スタンド花のセッティング
- 開場の受付・チケットの受取
- プログラムや物品の販売
- 出番前の子どもの点呼・整列
- 出番終了後の衣装と小物の回収・整理
- 発表会終了後の楽屋清掃
- 発表会終了後のスタンド花をバラし、持ち帰れるように束ねる
など、細かく言えば、まだまだあります。
保護者の仕事内容のうち、負担の多いものとは?
このうち、保護者にとって負担が多いものを5つ挙げてみましょう。
負担が大きいベスト5
- 衣装のお直し
- 小物の作成
- 子どものヘアメイク
- 出番前の子どもの点呼・整列
- 出番終了後の衣装と小物の回収・整理
なぜこの5つは負担が大きいと感じるのか?
では、上記の5つの仕事のどういうところが負担なのかを考えていきましょう。
衣装の直し
個人差がありますが、普段針と糸を使わない人にとっては、やり方も分からないため時間がかかり、それが大きな負担となります。
特に、渡された貸衣装が小さい場合、背中側に類似の布を足して【ムシ】を付け直すなど、裁縫の知識が必要となる場合があります。
小物の作成
こちらも同様で、手先の器用な人や、時間的に余裕がある人なら楽しくできるかもしれませんが、そうでない場合は、負担に感じてしまうでしょう。
また中には、A4用紙1枚程度に書かれた簡単なレシピを渡されるだけで、材料も保護者が調達してやらなければならないなど、「これであってる?大丈夫かしら?」と不安にさせてしまいます。
時間や労力の負担以外に精神的な負担を課す場合もあるようです。
子どものヘアメイク
バレエのヘアメイクは特殊で、これも練習しなければ、なかなかうまくできません。
またメイク道具も舞台専用の物が必要となるので、これも調達するなどして準備しなければいけません。
出番前の子どもの点呼・整列
当日は、楽屋も舞台袖もてんてこ舞いになります。また同じ演目の子どもたちは、皆同じ衣装で舞台メイクをしているため、狭い廊下や暗い舞台袖では見分けがつきません。
緊張から、名前を呼んでも返事をしない子どもや何度もトイレに行く子、さらに泣いたり、目を擦ってメイクをぐちゃぐちゃにしたりする子どももいます。
このように出演する生徒だけでなく、お世話係の保護者もパニックになる場合があります。
出番終了後の衣装と小物の回収・整理
出番が終われば、貸衣装に破損部分がないかを確認し、回収する作業があります。
また、お直しした部分は、元通りに直さなければならないので、その確認やお袖などがちゃんと揃っているかのなど多くの点検が必要となります。
万が一数が揃っていなかったり、破損個所が多かったりすれば、その保護者のせいではないのに、責任を感じてしまう場合もあるようです。
保護者の仕事がなくせない理由
このように多くの保護者が子どもの「バレエの発表会のお手伝いを負担に感じている」のに、その負担を減らすことができないのは、なぜでしょうか?
次は、その理由について考えていきましょう。
金銭的な理由
その理由のひとつは金銭的な理由です。人を雇って何かをお願いすれば、そこにはその労力に相当する金銭が発生するからです。
バレエの発表会はただでさえお金が掛かります。
先生としても相場以上のお金を参加費として徴収するわけにもいかず、結果として保護者のお手伝いがあるのを前提として、計画を立ててしまっているわけです。
防犯上の理由
バレエの発表会では、多くの女の子たちが薄着で楽屋や廊下をウロウロします。
ステージで皆が踊っている時は、楽屋が空っぽになることもあります。
例えば、そこに全く知らないバイトの人が入ってきたとしたら、どうでしょう?少し危険だと思いませんか?
「裏方にバイトとか雇えばいい。」という意見もありますが、その日限りのバイトさんの場合、貴重品の管理だけでなく、盗聴や盗撮などの心配があるのも否めません。
以上のように、プロを雇えばお金が掛かるし、安い費用でバイトを雇えば防犯上の心配があるという理由で、保護者のお手伝いが必要とされています。
保護者の負担を減らすためにできること
最後に、保護者の皆さんの発表会での仕事の負担をどうすれば減らし、気持ちよくお手伝いしてもらえるか?について考えていきましょう。
負担を減らすにはどうするべきか?
まずは、保護者がもっとも負担に感じる5つの項目の中で、少しでも減らせるものを考えてみましょう。
私が実践して比較的うまく行ったケースを2つご紹介しますね。
衣装のお直し
これは、やはり経験のある人にまとめてお願いすることを考えましょう。
私自信は、保護者の中に裁縫ができる人や、保護者の知り合いのできる人にお願いすることにしました。
あらかじめ日時を決めて、スタジオに来てもらい私も含めみんなで一斉に作業します。
指示は保護者のだれかではなく、私自信が直接しました。
プロではないのですが、十分きれいに仕上げて頂けましたし、作業も早くて安心できました。
お直しが必要だった生徒の保護者には、自分でやるかお願いするかを選択してもらい、作業に応じて数百円程度の負担をお願いしました。(例:ムシ3つで700円など)
これで、作業をお願いした人にも、キチンと時給をお支払いできましたし、双方にとって良い結果となり、このスタイルは他の先生にもおススメさせて頂いています。
子どものヘアメイク
髪のお団子作りに関しては、事前に講習会を開けば、ある程度の保護者ができるようになります。
ただメイクに関しては、やはり経験者でなければ、難しい部分もあるので、私は学生の時に一緒にレッスンしていた元バレエ仲間に応援をお願いしました。
但し、生徒全員については時間的に無理なので、小学校4年生までとしました。
小学校5年生以上は、自分で練習して生徒たち自身が行いますが、楽しみながら仲間同士でやっているようなので、自立にも繋がっているように感じています。
こちらも、ボランティアではなく、キチンと時給をお支払いしますが、プロではない分お安くやってもらえますし、何よりバレエをよく知っている人たちばかりなので、安心してお任せできるわけです。
『当たり前』という気持ちをなくす
最初に述べた「奴隷のように・・・」の方もそうですが、発表会での保護者の仕事に関しては、仕事そのものより、先生や他の保護者からの態度に疲れやモヤモヤした気持ちを抱く人が多いようにも感じます。
「やって当たり前のように言われた。」「先生の当たりがすごくキツかった。」「他の保護者の前で怒鳴られた。」「叱責された。」「先生から無視された。」
ネットでは、このような保護者の意見を度々目にすることがあります。
やはり、「やって当たり前」はいけません。
なぜなら、生徒さんは教え子であって、お客様でもあるからです。
先生の生活は、生徒さんからのレッスン代で賄われていて、その費用を負担して下さっていくのはその生徒さんの保護者です。
発表会前でどんなにイライラしていたとしても、ボランティアでお手伝いして下さっている保護者を怒鳴りつけたり、無視したりする態度は見せてはいけないでしょうね。
まとめ
いかがでしたか?
以上が、
「【発表会をめぐるトラブル】第3弾『保護者の仕事が多すぎて負担になる』というトラブル」
の記事になります。
先生も生徒も保護者も発表会を成功させたいという気持ちは同じです。
極端に誰かが悲しい思いをするようなことのないよう、事前準備をしっかりと行いましょう。
また、これからはじめての発表会をされる先生は、こちらの記事を参考に、保護者にお願いしてもよい範囲を考えて頂ければと思います。
この記事が少しでも皆様の参考になればうれしいです。