皆さん、こんにちは!
ダンススクール起業ラボのTutuです。
発表会をめぐるトラブルについて、4回に分けて解説をしていますが、本日のテーマは保護者の方同士で起こりがちなトラブルについて考えていきます。
どのような保護者の方にとっても、子どもの日頃の頑張りを披露できる発表会は、楽しみで仕方ないはずです。
しかし、実際には子どもを応援したいという気持ちやその熱意がエスカレートし過ぎて、周囲との摩擦を生んでしまう場合があります。
この記事でわかること
✅発表会をめぐる保護者同士のトラブルの事例
✅発表会をめぐる保護者同士のトラブルはなぜ起こるのか?
✅発表会をめぐる保護者同士のトラブルを未然に防ぐ方法
「【発表会をめぐるトラブル】第1弾『参加・不参加を巡るトラブル』を徹底解剖」
の記事はこちらから
では早速いってみましょう。
発表会をめぐる保護者同士のトラブルの事例
ではまず、発表会をめぐるトラブルの中で【保護者同士の揉め事を巡るトラブル】にはどのようなものがあるのか?その事例を見ていきましょう。
『父母の会』や『後援会』の存在
バレエ教室の中には、『父母の会』や『後援会』を作っていらっしゃるところがあります。
この会がどのようなものかというと、「同じ教室でバレエを習わせている保護者同士の交流を深め、子どもたちや先生を保護者みんなでサポートしよう」という趣旨のもと作られたものです。
具体的には、発表会の裏方業務を一手に任されて、準備から本番当日までサポートしていきます。
業務は、衣装の管理(サイズ直しなど)、ゲストやスタッフのお弁当の手配、受付、お花やプレゼントの管理、小さい生徒たちの出番の管理など多岐にわたっています。
トラブルの例
ここでのトラブルは、会の中で「古い人が新しい人に対して指示する」という関係が生まれてしまうことにあります。
同じ保護者同士なのに、「まるで上司が部下に命令するみたい。」と感じる人や「先生でもないのに偉そうに。」と感じる人が出てきて、それがトラブルに発展する場合があります。
SNSをめぐるトラブル
近年SNSをめぐるトラブルも増えてきています。
トラブルの例
- ご自分のお子さんだけでなく、他のお子さんの顔出し動画をSNSにアップした保護者がいた。
- 特定の生徒さんの名前を挙げて、「一緒に踊りたくない。」とSNSで発言した人がいた。
- いい役が付いた生徒さんの名前を挙げて「ふさわしくない。」とSNSで発言をする人がいた。
裁縫などにまつわるトラブル
バレエやダンスの発表会では、衣装や頭飾りを保護者が作ったり、手直ししたりする場合があり、裁縫や細かい作業が苦手な保護者にとっては、負担となる場合があります。
トラブルの例
- 衣装のお直しが出来なくて、当日までほったらかしにする保護者がいた。
- 衣装のお直しが出来なくて、他の保護者に無理矢理お願いする人がいた。
- 後付けの飾りを針と糸を使わずに、ホッチキス止めをして、衣装係りの保護者とトラブルになった。
発表会をめぐる保護者同士のトラブルはなぜ起こるのか?
前項では様々トラブルの事例を見ていきましたが、今度は、それらのトラブルがなぜ起こったのかについて考えていきましょう。
『父母の会』や『後援会』でのトラブルの原因
発表会の裏方業務をめぐるトラブルについての原因は、そもそも
「子どもの成長を客席で観ることを楽しみにしていたのに、実際には一日中慣れない仕事をさせられて、感動に浸る暇もなかった。」というところから生まれます。
そして、先生からの直接の指示ではなく、長く在籍する生徒さんの保護者から指示されることに抵抗があるということが原因でしょう。
SNSをめぐるトラブルの原因
SNSに関しては、頻繁に利用する人、しない人。またSNSの危険性についての解釈の違いからトラブルに発展するケースが多いようです。
ご自分のお子さんでも「お顔は絶対に隠すようにしている。」という人が、断りもなしに顔出しで他人のSNSに載せられていたら、ビックリされ、注意されても仕方がないでしょう。
また、普段からXなどで、愚痴を呟く習慣がある人とない人も同様で、一方は「ちょっとした愚痴」であっても、他方にとっては「悪口」にとられることもあり、これがトラブルの原因になるようです。
裁縫などにまつわるトラブル
最近では、ミシンを掛けたり、手芸をしたりする人も減ってきています。
保護者がバレエ経験者であったり、もともと裁縫が得意な人ならさほど問題はないでしょうが、そうでない人にとっては、負担は大きいようです。
また、保護者同士が親しくない場合は、出来ないことを相談できずに、自己流で処理してしまうため、それが更なるトラブルを生む原因となります。
発表会をめぐる保護者同士のトラブルを未然に防ぐ方法
ここまでで、バレエの発表会をめぐる保護者間のトラブルにはどんなものがあって、なぜそうしたトラブルが起こるのかをみてきました。
では、ここからは、これらのトラブルを未然に防ぐためには、どのようにすればよいのかを考えていきましょう。
『父母の会』や『後援会』でのトラブル解決法
先生も参加する
『父母の会』や『後援会』は、保護者間のコミュニティですが、任せきりにしておくと前述のようなトラブルが起き、最悪の場合は生徒数を減らすことになりかねません。
経営者であるオーナー先生もそのコミュニティの中に入り、存在感をアピールしておきましょう。
【ボス】を作らない
会の保護者の中に、【ボス的な存在】を作ることは、あまり得策ではありません。
どんなに頼りになる人でも、一人に発言力が集中し過ぎたり、その人がいないと発表会が回らないほどの影響力が強い人がいると、その生徒さんがやめた時に皆がパニックになってしまいます。
懇親会を開こう
全ての保護者がフラットな関係を作れるよう、事前に先生を含めた懇親会を開催し、保護者とのコミュニケーションを深めていきましょう。
また、発表会での「保護者の役割がどれほど重要か」について説明しておきましょう。
先生も保護者も子どもたちのために「発表会を成功させたい」「子どもの喜ぶ顔が見たい」という気持ちは一致しているわけですから、話し合いをするというひと手間で状況は変わると思います。
SNSに関して
ルール作り
SNSに関しては、先生がルールを決めて、
「皆さんの個人的なお考えは否定しませんが、この教室に関するルールは私のルールに従ってください。これは色々なトラブルから皆さんを守るためのルールです。」と自信を持ってお伝えしましょう。
特に、他人のお子さんの画像や動画のアップについて、また教室内の憶測・噂話などについては、明確なルール作りが必要です。
入会時に伝えよう
大切なのは、最初に言うことです。入会時にハッキリ言っておくことで「知らなかった」とか「突然言われても・・・」などというクレームをもらわずに済みます。
裁縫などに関して
裁縫などに関しては、とりあえず必要なことを事前に伝えて、練習しておいてもらうなど、直前になって、動揺させないようにしましょう。
おすすめ動画を選定
バレエの発表会で絶対に必要裁縫スキルは【ムシ作り】です。
何度かステージに立ったことのある人にとっては、慣れたものでしょうが、初めての人にとっては「ムシって何?」からスタートするはずです。
今は、動画もたくさん出ているので、発表会が決まった時点で、保護者にも、動画を見て事前に準備しておいてもらいましょう。
過去例をお伝えしよう
ムシ以外には、「前回の発表会では、保護者にこういう作業をお願いしました。」と想定できる裁縫作業などを事前にお伝えしておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
以上が、
「【発表会をめぐるトラブル】第2弾『保護者同士の揉め事を巡るトラブル』」という記事になります。
バレエ教室の中には、このような保護者間のトラブルを防止するため、また、保護者にゆっくりと客席で子どものバレエを鑑賞してもらうために、発表会では保護者の手伝いなしにしている教室もあります。
もちろん、保護者の手を借りない分、スタッフを雇うことになるので、費用は掛かり、結局その費用は保護者が負担することになります。
つまり、保護者は「労力を取るか金銭的負担を取るか」になるわけです。
保護者の金銭的負担を少しでも軽くするために、お手伝いをお願いするなら、事前に丁寧な説明は必要ですし、保護者から質問や不安の声を聴く時間は作ってあげるべきでしょう。
先生も生徒も保護者も皆、発表会を成功させたい。バレエが好きだ。という気持ちは一致しているはずなので、話すことでより理解が進み、皆が良い関係を築けるのではないでしょうか。